劇団雷花 薔薇組  第2回公演 『昭和の半ドン』

あらすじ

 

昭和48年、東京の下町。
「驚き 桃の木 山椒の木」「冗談はよしこさん」
昭和ギャグが飛び交いながら
笑い声が響く穂樽家の食卓。

「父ちゃんは、何が一番、おいしいと思う?」
息子の問いかけに答える父。

「父ちゃんが、世界で一番、おいしいと思う料理はな・・・
こうして、家族みんなで、ちゃぶ台を囲んで、食べるご飯だ」

父の言葉の背後に隠された悲しい歴史とは!?
「幸せとは何か?」を問いかける笑いと涙の昭和物語。

あなたにとって、世界一、おいしいご飯は何ですか?

「昭和の半ドン」に込めた思い 

ゴン‼︎
突然、天井から落ちてくる金だらい。
一瞬で倒壊する建物。
それは物心ついた時から、毎週、見てきた光景。
ですから、それが特別に凄いことだと気づいたのは、ごく最近でした。

 

テレビの録画機能も、見逃し配信もなかった昭和。
土曜の夜は、早めに夕食とお風呂を済ませ、
日本中の家族がいそいそとテレビの前に集合。

そして、始まる『8時だヨ!全員集合』

今では滅多にない生放送。
毎週、作っては壊し
作っては壊しの大掛かりな舞台セット。
音楽は全て生演奏。
昭和のバラエティーは
なんと豪華で贅沢だったことか!

私の中で、今も鮮やかに、生き生きと蘇る場面。
それは、番組の内容以上に、
家族全員で、ちゃぶ台を囲みながら
笑い転げている光景。
昭和という時代は
時間がゆっくりと流れていたように感じます。
そして、夕食の時は家族全員が揃っていました。

 

時を経た今、たくさんの情報や物が溢れ
時間の流れは驚くほど早くなりました。
レストランの専門店は、瞬く間に増え
いろいろな料理を楽しめるように。
一方で、「家族団欒」が死語となり
「個食」という言葉が生まれたのでした。
世の中には、美味しい物がたくさん溢れています。

それでは、自分にとって
世界一のご馳走とはなんだろう?
それを自分に問いかけた時、思い浮かぶのは
家族全員でちゃぶ台を囲んだあの光景なのです。
子どもの時には、それが当たり前の日常でした。
けれど、今、振り返った時、それは
奇跡と言えるような幸せだったのだと感じます。
時間がゆっくりと流れた昭和の温かく大らかな空気。
笑顔で寄り添う家族。
それを描いてみたくて、この作品をつくりました。

「そうそう‼あんなのが流行っていたよね!」

「当時の家電て、そんな感じだった‼︎」

・・・

ご覧くださる皆さまが昔を思い出し、
一緒に笑って頂けましたら、幸いです。

 

~脚本・演出 阿部小百合~

 

キャスト紹介

穂樽マミ太郎…若生麻美

愛妻家で子煩悩な穂樽家の父親。
家族の食卓をこの上なく大切にするが、
その背後には悲しい過去が隠されていた。

 

 

穂樽かり絵(二役・月子)…天月かりん      

料理上手で、そこはかとない色香漂う穂樽家の母。
父と息子のマドンナ。

 

 

穂樽トビオ(二役・トビ次郎)…飛田ゆかり      

好奇心旺盛な穂樽家の長男。
「嵐を呼ぶ男」だが、優しく家族思い。 

穂樽テルオ(二役・テル三郎)…大澤央子      

いつもご機嫌な穂樽家の次男。
家族の癒し系アイドルだが
時々、笑顔で鋭いツッコミも。

 

 

穂樽百合之介…阿部小百合    

愛妻家で子煩悩なマミ太郎の父親。
東京下町在住だが、なぜか関西便。
妻、月子に下ネタを連発してはド突かれる一面も。

 

 

 

おりん様…米沢鈴

穂樽家の歴史を全て知る猫神。
子どもだけに姿が見える穂樽家の守り神。

 

 

 

穂樽英美蔵(ナレーション)…米沢英巫

百合之介の従兄弟。
戦時中、マミ太郎が疎開先として身を寄せる。
「おりん様の声」を降ろす語り部。
豆腐屋やさお竹屋など、昭和の風物詩の声も。

昭和48年・穂樽家家系図

昭和18年・穂樽家家系図

上演情報

乞う!ご期待!!!