劇団雷花 初公演作品!
2023年新春公演
悪の救済

『悪の救済』あらすじ

幼い頃より神童と呼ばれ
科学者として成功した
テル・シャマーネ。
だが、研究に明け暮れた
70年の人生を振り返り
深い虚しさに襲われるのだった。

そんなテルの前に
守護天使マミエル・ジュートと
悪魔ユカルシファーが
同時に姿を現す。

「お前の魂と引き換えに
望みを何でも叶えてやる。
今からでも遅くはない。
この世の楽しみを味わい尽くすのだ」

テルを誘惑する悪魔の囁き。

地上の法則に
介入することが許されない
天使マミエルはなすすべもなく
目の前で悪魔ユカルシファーと
テルの契約が交わされるのであった。

悪魔の力で25歳の青年に
若返ったテル・シャマーネに
薄幸の美少女カリアンヌを
引き合わせるユカルシファー。

2人は強く惹かれ合い
愛の一夜を迎える。

その翌朝から悪魔の魔法により
時間の感覚を狂わされたテルは10日間
豪遊したつもりだったが
現実には1年の月日が流れていた。

その間、テルの子供を身籠り
孤独と不安の中、出産したカリアンヌだが
生まれて間もなく、子供は死んでしまう。
子殺しとして投獄された彼女を
救おうとするがテルだが…。

脚本・演出 阿部小百合

『悪の救済』に込めた思い

『悪の救済』はゲーテの『ファウスト』と
シュタイナーの天使論・悪魔論をモチーフに
創作した長編ミュージカルです。
シュタイナーは、こう言っています。

「人間のエゴイズムに触れると
ルシファーとアーリマンは悪になる。

   人間のエゴイズムに触れなければ
キリストと同等の存在である」

その話を初めて聞いたとき、胸が痛みました。
ルシファーやアーリマンと言った存在たちは
人間の自由意志が生み出したエゴイズムに
触れることによって悪の役割を
働かねばなりませんでした。
悪の存在たちは決して満たされることがありません。
争いや、病気、飢餓などで
人間たちが苦しんできたのと同様、悪の存在たちも
ずっと苦しんできたのではないでしょうか?
私たち人間はもう十分に
悪からたくさんのことを学ばせてもらいました。
ですから、悪を消滅させるのではなく悪が癒され
光に還れることを私は切に願います。
同時に、自由意志の誤用で人間たちが地球を傷つけても
未来には必ずエゴイズムを克服していくことを
信じ続けてくれる神と天使たちの深い信頼と愛への感謝。
そんな思いを込めてこの作品が誕生しました。
天使と悪魔、双方との関わりの中で
人間テル・シャマーネが何を得ていくのか?
ぜひご覧ください。

劇団雷花とは?

シュタルナライフアカデミー主催の
『演劇療法講座』
それが
『劇団 雷花』

脚本は全て「当て書き」です。
演じる役者の個性を踏まえ、
その魅力を最大限に引き出すよう
意図して創作しています。

私たちが何かに没頭した時、
その対象に自分が溶け込むと言う感覚を覚えます。
それを「エーテル体験」と呼びます。
それは、溶け込む対象に対する
深い愛があるからこそ
起こり得る体験なのです。
ですから、エーテル体験とは
愛を体験することともいえます。
演劇の中で
自分が演じる役の人物を愛し
その人物に溶け込む体験には
深い霊的な意味があります。
そして、日常の生き方にも
変化をもたらします。
演劇体験とはある意味
「何者にでもなれる」と言う体験です。
私たちが舞台の上では
男にも女にも、大人にも子供にも
そして欧米人にも東洋人にもなれるし、
時代を超えて
古代や中世へ行くことさえできます。
その体験を積み重ねていくと
日常の私たちもまた
無意識に捉われていた役割や
アイデンティティから
自由に解き放たれていくのです。
さらにまた、演劇の舞台では
「私=自我」がそこに存在している一方で
全く別の人生が同時に
繰り広げられているのです。
この体験は自我による
感情の統制を可能にします。
日常生活で私たちは
本当にいろいろなことに遭遇します。
そして、外界で起こることに反応して
様々な感情が生まれます。
ともすると怒りや不安など
一時の激しい感情に支配されて
その後の人生を
左右してしまうことさえ
あり得るのです。
ですが、演劇体験は
自我(意志・客観的思考・霊性)を
強くします。
その結果、感情に
支配されることなく
自分の本質で生きることが
できるようになるのです。
自分が「怒っている」「不安だ」と言うことに
「気づいている」ので
自分をごまかすことも
抑圧することもありません。
荒ぶる感情を繊細に感じながらも
それに振り回されることなく
その時その時の最善を
成すことができるようになっていきます。
それが演劇療法講座
『劇団 雷花(らいか)』なのです。

キャスト紹介

テル・シャマーネ(大澤央子)
研究に明け暮れた人生を振り返り
虚しさに襲われる70歳の老科学者
悪魔ユカルシファーと契約を結んで
25歳の青年に若返る

 

ユカルシファー(飛田ゆかり)

元は天界の最上級天使だったが
堕天して悪魔となる
実は人間進化の重要なカギを握っている

マミエル・ジュート(若生麻美)
テル・シャマーネの専属指導霊
テルが悪魔に魂を売り渡したことにより
堕天の危機に晒される

カリアンヌ・ルーナ(天月かりん)
若返ったテルと出会い、恋に落ちる
テルの子供を身籠るが
テルが姿を消したため1人で子供を産む

 

 

サン・ユリアス・シン(阿部小百合)
家族の生活のために兵士となった青年
戦場にあっても人殺しはしないと決断する

 

エミ―カイト・リオ(米沢英巫)
爆撃で家族を失った少年兵
敵兵を撃った報酬を糧に生きる

 

エンノミコト(米沢英巫)
宇宙の創造主
ギャグを連発してはスベッている
人間界で起こることに
胸を痛めながら見守っている

リンノミコト(米沢鈴)
猫の姿をしたエンノミコトの対神
毛の1本1本に、全人類の
アカシックレコードが刻まれている